複数のタレントが秀岳館高校サッカー部監督のことを「信じられないとか」「アホ」とか言ってますけど、
ボクは「まあそうなるよね。」としか思えませんでした。
「アホ」とか「なんでウソをつくのか理解できない」のようなコメントはスタッフから言わされているのでしょうか?
アホでもないと思いますよ。
普通です。
普通の大人ならウソをつく
だって、監督の年齢は50歳前後
ここでクビになるとどうなるでしょう。
不祥事で解任させられた監督を拾ってくれる学校はあると思いますか?
普通の学校なら躊躇しますよね。あっても母校か、かなり親密な理事長がいて「失敗した人にも再チャレンジを!」みたいなポリシーを持った懐の広いひとじゃないと就任の要請なんかできないでしょう。あえてイメージを悪くしにいく学校運営なんかできませんから。
家族がいて無職になる可能性がちらついたら、ウソをつくのは当たり前です。立場がそうせざるを得なくしているんです。こんなことは人間性だとかはほぼ関係ありません。ただ無職になることへの恐怖からそうなってしまうだけです。
客観的にみてあり得ない行動をしているようには見えますが、普通レベルの人ならパニックになって秀岳館の監督のようなウソをつくでしょう。
だから、若い芸能人のコメントもなかなかにお寒いコメントですなぁとしか思えないんですよね。
ある程度決まっていた将来が崩れていく時の絶望感といったら想像もしたくないでしょう。
そんな状況になったらまず保身に走るのが普通の人。
そこで、全てを正直に話すような正直監督は、そもそも自分から退任しようと考えていたか、よっぽどの聖人君子か、ただのお金持ちでしょう。それか自分は全く悪くないと思っている人。
聖人君子なら良いのですが、高校の監督ぐらいでただのお金持ちだとするとけっこうあやしい感じもしてきますけどね。
問題はアマチュアスポーツなのに指導者がプロ化していること
だから問題の根本は何かというと、職業監督だということに尽きると思います。
そもそもチームが勝たなきゃ監督を続けられない。ってのはアマチュアスポーツには向かないです。多くの問題を抱えてしまうだけです。
監督とプレーヤーの立場が違いすぎるからです。チームの全員が同じ方向を向かないと力が弱くなるのに、そもそも指導者と選手が同じ方向を向いていません。大多数の選手にとっては良いことがありません。
プロサッカーの監督は当然、仕事としてやっても良いでしょう。。生活をかけてサッカーをする選手と同じ境遇なのでアリです、体罰や暴言によって服従させる必要もありませんから。
ただ単にクビにすれば良いだけで、選手側もそれが不当なら裁判をすれば良い。この自然な流れの行動ができるのがお互いがプロだからです。目的も同じなので結果が出なければ続けられないのはお互い様。
ですが、アマチュアでのプロ監督はずっと監督を続けようとします、長期的な運営をしようとしますし、指導者は生活がかかっているので言うことを聞かない選手には力づくで聞かせようとします。
クビにできないからです。
選手は3年やそこらしかそのチームでプレーしませんから、よほど監督への信頼がないと、力ずくの指導には抵抗します。そもそも想定している期間の長さが選手と指導者では違うんです。
乱暴な言い方かもしれませんが、アマチュアスポーツなのにプロの監督であるチームというのは「体罰、暴言、行きすぎた指導アリ」といっているようなものです。システム上自然とそうならざるをえません。中学生への進路指導の際にはそのことを理解させる必要があると思います。
強豪校の中にはまともにやっている指導者もいるかもしれませんが、それは大学附属で学校自体のブランドがあるようなところである可能性が高いですね。それかかなり偏差値の高い学校です。
そうでなければ、システムの問題から指導者が体罰、暴言、行きすぎた指導が起こるのは必然だと思っています。
時代も変わってきているので根本的な解決が求められます。
チームの勝利より選手個人の育成に力を注ぐべき
チームの勝利より良い選手を輩出することで学校をアピールしましょう。そもそも学校の存在意義は教育です。人材の育成です。
学校が全国大会に出場することより、プロ選手やオリンピック選手がどれほど輩出させられるかで評価されるべきではないでしょうか。
たとえばプロの世界で長く活躍し続けるには、人間性というものが重要になってきます。実力が高かったとしても実力の拮抗している世界では最終的に人間性が明暗を分けます。
長くプロで活躍してくれれば、メディアを通して学校の広告塔になってくれるのです。かなり持続性のある戦略だと思いますし優秀な戦略だと思います。