ダラゴはマヨネーズが大嫌いであった。他人が美味しそうに食っているのを見るのも嫌だった。
これらが全て過去形なのは、今はそうではないからだ。
マヨネーズが嫌いな理由は母親が美味しそうに食べていたから
マヨネーズ嫌いを明確に認識したのは、母親がマヨネーズを口にしている時のことだった。何があったかというと、やや唾液で濡れた唇に、マヨネーズが混ざり合うのだ。見ていて非常に気持ち悪かったのを鮮明に覚えている。ただ母親は美味しそうにというか楽しそうに食べている。おしゃべりをしながら食べるから、唾液が余分に分泌されていたんだと思う。
マヨネーズの味に似ているものに出会ったことがない。
味に関しても、この世のものとは思えないほど不味い。マヨネーズは主に油・卵・酢でできているそうだ。これら単体ではなんの問題もなく食べられるのに混ぜ合わせるだけで、全く受け付けないものになってしまう。不味くするために混合するという、謎の行動を許してしまって良いのだろうか。
不味いと分かっていても口にしなくてはならない時がきっと来る
昔は全く口にすることができなかったが、今では口にすることくらいはできる。だからといってすすんで口にするようなことはしない。
嫌いな食べ物があると、大人になってから恥をかくよと言われてきた。会食をする時に、出されたものを食べないのが失礼だということだろうか。
確かにそうだなと思ったので、なんでも食べられるようになろうと努力した。
嫌いを克服する方法。全ての物事に応用可能である。
その時のやり方を説明する。
マヨネーズが何からできているかを調べ、原料の中に食べられないものがあれば潔く断念しよう。マヨネーズの場合、卵や酢がそれにあたる。
アレルギーが起こるのは体には刺激が強すぎるからで、体内に入れるべきではない。もしそうでなければ、次のようにしよう。
卵に酢を入れたものを作る。この卵と酢の混合物をネーズと呼ぶことにしよう。ネーズには好みがあると思うので、配分は各自調整していただきたい。この段階で口にできない場合、今度は卵と食用油でマヨネを作ってみよう。これも合わないとしたら、酢と食用油だ。(以下省略)
さて、ネーズの話に戻ろう。ネーズをいろいろなものにかけて慣れてしまおう。ネーズが問題なく口にできるようになったら、第二段階だ。
ネーズに食用油を混ぜてみよう。そうすることでかなりマヨネーズに近づいたはずだ。自作のマヨネーズなら食べられる。そして、その自作マヨネーズに慣れてきたら、きっと市販のマヨネーズに挑戦したいという気持ちが芽生えてくるだろう。
苦手なものはこのように自分の範囲内のものに分割してトライしてみよう。3つ以上のものならまずは2つの組み合わせなどできるだけ小さいものに。
こうして負けず嫌いのダラゴはマヨネ嫌いを克服した。
おーり。