ふと、radikoでラジオ深夜便をつけた。
特に理由はなかった。ただアプリを開いたら、そこにあった。
最初の一声で、わかった。
ああ、変わってない。
あの夜勤の静けさ
10年前、私はガソリンスタンドの夜勤監視員をしていた。
深夜0時から朝6時。
給油機のランプが点滅するのを眺めながら、ほとんど人の来ない時間をやり過ごす仕事だ。
時給は保証されていた。
お客が来なくても、ぼーっとしていても、時間が経てばお金になった。
そんな夜に、ラジオ深夜便はただの友達だった。
10年後の深夜0時36分
今は副業で軽貨物の配達をしている。
radikoから深夜便が流れる中、スマホに通知が来た。
¥401
4.4km
12分
承諾するかどうかを、数秒で判断する。
10年前のラジオは、静かな夜の友達だった。
今のラジオは、仕事の隙間に流れている。
変わったもの、変わらないもの
ラジオ深夜便は何も変わっていなかった。
声のトーンも、音楽の選び方も、夜の空気の包み方も。
変わったのは、聴いている自分の方だった。
あの頃は時間をもてあましていた。
今は時間を切り売りしている。
どちらが良かったのかは、わからない。
ただ、401円の通知を閉じて、また深夜便に耳を傾けた。
変わらない声が、少しだけ、沁みた。