*当ブログは商品・サービスのリンクに広告が含まれています*

宅建過去問解説:役員が「専任の宅建士」になる時の変更届出

*このページには商品リンクなどに広告が含まれています。*

見つけた方はコメント欄へ!!

この記事を読み終えるまでの時間:約 7分

 

1. 過去問

 

【問題】(H8-問43)

法人である宅建業者 A(甲県知事免許) の役員であり、 かつ、 当該事務所に宅建業以外の業務に従事していた宅建士 B を主として宅建業の業務に従事させることとした場合、 A は、専任の宅地建物取引士の変更について甲県知事に届け出をする必要はない。

 

 

 

どうも!あなたの不動産オタク、大吾です!

 

この記事では、単に正解を説明するだけでなく、「なぜそうなるのか?」という根本的なルールから、受験生がつまずきやすいポイント、さらには役員に関する特別なルールまで、徹底的に深掘りしていきます。

 

この記事を読み終える頃には、あなたは「専任の宅地建物取引士」マスターになっているはずです。一緒に最後の仕上げをしましょう!

 

【答え】

誤り


 

3. 解説

STEP1:結論の確認 → 「変更の届出は必要!」

まず、結論から。このケースでは、宅建業者Aは甲県知事に変更の届出をする義務があります。 なぜなら、役員Bの業務内容の変更が、宅建業法上の地位(ステータス)の変更に直結し、それが「届出が必要な事項」に該当するからです。

 

このロジックを理解するために、順を追ってルールを分解していきましょう。

 

STEP2:「専任の宅地建物取引士」の3つの基本要件

宅建業法が定める「専任の宅地建物取引士」とは、具体的にどのような人なのでしょうか。これには、一般的に以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 在籍性:その宅建業者の役員または従業員として在籍していること。

  2. 常勤性:その事務所に常時勤務していること(会社の営業時間に勤務していること)。

  3. 専従性:その業務が専ら宅地建物取引業であること。

国土交通省のガイドライン「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」においても、「専任」とは、原則として事務所に常時勤務して、専ら宅建業に従事する状態をいう、とされています。

 

 

STEP3:特例ルール「役員等のみなし規定」の理解

ここで、役員であるBに関わる重要な特例が登場します。それが、宅建業法第31条の3第2項に定められた「役員等の特例(みなし規定)」です。

(宅地建物取引士の設置)
第三十一条の三 宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
2 前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。

  • 特例の趣旨:会社の役員は、経営など宅建業以外の業務も行います。そこで、厳格な「専従性」の要件を少しだけ緩和し、「主として」宅建業に従事していれば、専任とみなすというルールです。

  • 対象者:この特例の対象は、個人事業主である宅建業者本人、または法人の役員です。

  • 重要な制限:この特例が使えるのは、その人が「主として業務に従事する事務所1か所に限られます。

 

STEP4:過去問のケース分析(点と線をつなぐ)

さあ、すべての知識を総動員して、今回の問題を分析しましょう。

  1. 【変更前】Bのステータス 役員Bは「宅建業以外の業務に従事」していました。これでは3つの基本要件のうち「専従性」を満たしていません。また、「主として」宅建業に従事してもいないので「みなし規定」も適用されません。 結論:Bは専任の宅建士ではなかった。

  2. 【変更後】Bのステータス Bの業務が「主として宅建業の業務」に変わりました。この瞬間、「役員等のみなし規定」が適用され、Bはその事務所の「専任の宅建士」とみなされることになりました。 結論:Bは法的に専任の宅建士になった。

  3. 【法的義務】届出の必要性 Bのステータスが「専任ではない」から「専任とみなされる」へ変わりました。これは、宅建業法第8条で定められた宅地建物取引業者名簿の登載事項(専任の宅建士の氏名)の変更に他なりません。 したがって、宅建業者Aは、宅建業法第9条に基づき、変更があった日から30日以内にその旨を届け出る義務を負うのです。

 

【深掘り解説】役員でも「専任」になれないケース

役員だからといって、必ず専任の宅建士になれるわけではありません。以下のケースでは「常勤性」や「専従性」が認められず、専任とはなれないので注意しましょう。

  • 監査役である場合:監査役は業務を執行する立場にないため、宅建業に従事できず、原則として専任の宅建士にはなれません。

     

  • 他社で常勤している場合:他の法人の代表取締役や常勤役員を兼務している場合、自社での常勤性が認められないことがあります。

  • 通勤が困難な場合:事務所から著しく遠隔の地に住んでいるなど、社会通念上、常時勤務が不可能と判断される場合は常勤性が認められません。


 

3. まとめ

 

  • 「専任の宅建士」には「在籍性」「常勤性」「専従性」の3つの基本要件がある。

  • 役員個人事業主本人には「専従性」を緩和する「みなし規定」が適用される。

  • この特例が適用されるか否かが変わることは、法的な地位の変更であり、変更届出の対象となる。

 

www.daragoblog.com

www.daragoblog.com

おすすめの宅建参考書