問題(H29年-問36)
宅建業者Aは、宅地または建物の売買に関連し、事業として新たに不動産管理業を営むこととした。この場合、Aは、兼業で不動産管理業を営む旨を免許権者である国土交通大臣または都道府県知事に届け出なければならない。
皆さん、こんにちは!あなたの合格を全力で応援する、不動産オタクの大吾です。
今回は、宅建業法の「変更の届出」に関する、まさに卒業試験とも言える論点を取り上げます。
この問題を完璧に理解できれば、あなたはもう単なる暗記ではなく、法律の構造そのものを理解したと言えるでしょう。
さあ、参りましょう!
解答:×(誤り)
解説:なぜ「不要」なのか?
この問題の答えは「誤り」ですが、その理由を深く、正確に説明することが合格へのカギとなります。
1. すべての基本、「名簿記載事項」か否か
届出が不要な根本的な理由は、ただ一つ。
「兼業の種類」は、そもそも法律で定められた「宅地建物取引業者名簿」の記載事項ではないからです。
宅建業法第9条が定める変更の届出は、この「名簿」に記載された事項の変更が対象です。
リストに載っていない以上、変更届出の義務は発生しません。
2. 受験生を惑わす「二つのリスト」の罠
では、なぜ多くの人が混乱するのか。それは、私たちの頭の中で「二つのリスト」が混同してしまうからです。
-
リスト①:免許申請書に書くこと(宅建業法第4条) 免許をもらうための「審査用」の書類です。ここでは、申請者がどんな会社か判断するため、「他に事業を行っているときは、その事業の種類」も記載する必要があります。
-
リスト②:宅建業者名簿に載ること(宅建業法第8条) 免許取得後の「公式な登録データ」です。ここには法律で定められた限定的な情報(商号、役員の氏名、事務所の所在地など)しか記載されません。
「申請書に書いたから、当然名簿にも載っているはず」という思い込みが、この引っ掛け問題の最大の原因なのです。
3.【重要】届出が必要な事項とは?
逆に、変更届出が必要なのは、以下の名簿記載事項です。
-
商号又は名称
-
事務所の名称及び所在地
-
役員の氏名(法人の場合)
-
本人の氏名(個人の場合)
(※注:かつては「専任の宅地建物取引士の氏名」も名簿記載事項でしたが、法改正により2025年4月以降は記載事項から削除されています。この点も注意しましょう。)
そもそも名簿に記載されていないので、変更の届け出を出す必要なんてありませんよね。
あと、これを名簿に記載して、兼業の変更を届けさせると業務の負担が大きくなり面倒ですよね。
パーフェクト宅建士のp289の表は誤解されやすいと思うので、読むときは注意してくださいね。
まとめ
宅建業者が新たに不動産管理業を始めても、免許権者への届出義務はありません。
この問題の教訓は、「申請書に書くこと」と「名簿に記載されること」は別物である、と理解することに尽きます。
この区別さえできれば、もう怖くありません。
このレベルの理解に到達したあなたは、もう立派な宅建オタです。
その調子で、自信を持って本試験に臨んでください!
おすすめの宅建参考書