日本最西端の秘境へ
ドラマチックな断崖絶壁、野生の与那国馬が駆け巡る草原、そして神秘的な海底遺跡の伝説。日本の最も西に位置する与那国島は、その隔絶されたロケーションと独特の文化、手つかずの自然で訪れる人々を魅了します。台湾に最も近い日本の島であり、その距離感は独特の雰囲気をもたらしています。
しかし、この魅力的な島への旅は、他の国内旅行とは少々異なります。本土からの直行便はなく、沖縄本島や石垣島を経由する必要があり、計画には少し工夫が必要です。このガイドでは、与那国島へのアクセス方法に焦点を当て、飛行機とフェリー、それぞれの選択肢について、所要時間、費用、利便性などを詳しく解説します。この情報が、あなたの与那国島への旅の計画に役立つことを願っています。
与那国島への主な交通手段:空路か、海路か
与那国島へのアクセスは、主に2つの方法に限られます。沖縄本島の那覇空港、または八重山諸島の玄関口である新石垣空港から飛行機を利用する方法と、石垣港からフェリーを利用する方法です。
- 飛行機: 琉球エアコミューター(RAC)が那覇空港と新石垣空港から与那国空港(OGN)へ運航しています。
- フェリー: 福山海運が石垣港(八島フェリーターミナル)から与那国島(久部良港)へ「フェリーよなくに」を運航しています。
どちらの手段を選ぶかは、旅行のスタイル、予算、そして時間に大きく左右されます。一般的に、飛行機は速くて便数も多いですが費用が高め、フェリーは時間はかかるものの費用を抑えられ、船旅ならではの体験ができます。まずは、それぞれの選択肢の概要を比較してみましょう。
表1:与那国島へのアクセス方法 概要比較
交通手段 |
出発地 |
運航会社 |
おおよその所要時間 |
おおよその便数/頻度 |
おおよその片道費用(大人) |
予約方法 |
主な利点 |
主な欠点 |
飛行機(那覇発) |
那覇空港 (OKA) |
RAC (JAL系) |
約1時間20分~40分 |
1日1~2便 |
約15,000円~35,000円+ |
JALウェブサイト等 |
本土からの接続が良い |
便数が少ない、費用高め、那覇前泊の可能性 |
飛行機(石垣発) |
新石垣空港 (ISG) |
RAC (JAL系) |
約30~35分 |
1日2~4便 |
約7,500円~20,000円+ |
JALウェブサイト等 |
早い、便数多い、比較的安価 |
石垣島までのアクセスが必要 |
フェリー(石垣発) |
石垣港 (八島FT) |
福山海運 |
約4時間~4時間30分 |
週2便(往復) |
約3,600円 |
当日窓口購入のみ |
費用が格安、車両輸送可能 |
時間がかかる、便数が極端に少ない、天候に左右 |
注:費用は通常期目安。季節、予約時期、割引適用により大きく変動します。便数も季節により変動する場合があります。
空路:与那国空港(OGN)へのフライト
与那国島への最も一般的なアクセス方法は飛行機です。時間を節約したい方や、船酔いが心配な方には最適な選択肢と言えるでしょう。
運航会社:琉球エアコミューター(RAC)
与那国空港(OGN)へ定期便を運航しているのは、現在、琉球エアコミューター(RAC)のみです。RACは日本航空(JAL)グループの一員であり、航空券の予約や運航状況の確認は、JALのウェブサイトや予約センター、または提携する旅行代理店を通じて行うのが一般的です。
一つの航空会社のみが路線を担っているという事実は、旅行者にとっていくつかの意味合いを持ちます。競争がないため、他の国内路線と比較して割引運賃の選択肢が限られたり、基本的な運賃が高めに設定されたりする可能性があります。また、フライトスケジュールの選択肢も限られるため、特に早めの予約が重要になります。
選択肢1:那覇空港(OKA)からのフライト
沖縄本島の主要空港である那覇空港(OKA)から与那国空港(OGN)へは、RACによる直行便が運航されています。
- 所要時間: フライト時間は約1時間20分から1時間40分程度です。
- 便数: 便数は非常に限られており、通常は1日に1便、多くても2便程度です。季節によって変動する可能性もあります。特に、早朝(例:午前7時台)に出発する便が設定されることが多く、注意が必要です。
- 費用: 航空券の費用は、予約時期や季節によって大きく変動しますが、大人の普通片道運賃で約15,000円から35,000円以上が目安となります。 によると、RACの運賃幅は17,100円から34,400円とされています。
- 利点: 那覇空港は国内主要都市や一部国際線からのアクセスが豊富なため、乗り継ぎがしやすい点がメリットです。
- 欠点: 便数が少なく、特に早朝便しかない場合、本土からの当日乗り継ぎが難しく、那覇での前泊が必要になるケースが多くなります。これは旅行全体の費用と時間に影響を与える可能性があります。また、石垣発の便と比較して、運賃が高くなる傾向があります。
那覇からの早朝便を利用する場合、多くの旅行者は前日に那覇入りし、空港近くや市内で一泊する必要が出てきます。これは、単に航空券代だけでなく、宿泊費や那覇での滞在時間も考慮に入れる必要があることを意味します。旅程全体の計画において、この点を念頭に置くことが重要です。
選択肢2:新石垣空港(ISG)からのフライト
八重山諸島のハブ空港である新石垣空港(ISG、愛称:南ぬ島石垣空港)からも、与那国空港(OGN)へのRAC直行便が運航されています。
- 所要時間: 石垣島から与那国島までは非常に近く、フライト時間はわずか30分から35分程度です。
- 便数: 那覇発よりも便数が多く、通常は1日に2便から4便が運航されています。こちらも季節によって変動します。午前、昼、夕方と、時間帯の選択肢が比較的多いのが特徴です。
- 費用: 一般的に那覇発よりも安価な傾向があり、大人の普通片道運賃で約7,500円から20,000円以上が目安です。早期割引などを利用すれば、1万円を切る価格帯も見られます。ただし、普通運賃は13,000円台後半程度になることもあります。
- 利点: フライト時間が短く、便数も多いためスケジュールを組みやすいです。運賃も比較的安価な場合が多いです。石垣島を拠点に、竹富島や西表島など他の八重山諸島も巡る旅行プランに組み込みやすいのが大きな魅力です。頑張れば日帰りも不可能ではありませんが、余裕を持った計画が推奨されます。
- 欠点: 本土から直接石垣島へアクセスできない場合、那覇などで乗り継ぎが必要となり、結果的に移動時間が長くなる可能性があります。
石垣経由のルートは、特に八重山諸島全体を楽しみたい旅行者にとって、非常に柔軟性の高い選択肢となります。与那国島への最終レグの便数が多く、所要時間も短いため、他の島への訪問と組み合わせた旅程を立てやすいでしょう。本土からのフライト接続がスムーズであれば、那覇経由よりも効率的な場合もあります。
フライト予約と注意点
- 予約方法: RAC(JALグループ)のフライトは、JAL公式サイト、アプリ、予約センター、または提携旅行代理店や航空券比較サイト(スカイスキャナー、エアトリなど)で予約できます。
- 早期予約のメリット: 航空券は早めに予約するほど割引率が高くなる傾向があります(「先得」などの早期割引)。特に、便数が限られている路線なので、早めの確保が賢明です。往復で購入すると割引が適用される場合もあります。
- 費用変動要因: 運賃は、夏休みやお盆などの繁忙期には高騰します。予約するタイミング(出発日が近いほど高くなる)によっても大きく変動します。
- 天候による影響: 与那国島は地理的に天候の影響を受けやすく、特に台風シーズン(夏〜秋)や冬季(11月〜2月頃)は、強風、濃霧、台風などにより遅延や欠航、あるいは与那国空港に着陸できずに引き返す(条件付き運航)といった事態が発生する可能性があります。旅行前や当日は、必ずJAL/RACの公式サイトやアプリで最新の運航状況を確認しましょう。
- 旅程の余裕: このような天候リスクを考慮し、特に乗り継ぎがある場合や、旅行期間が短い場合は、旅程に余裕を持たせることを強く推奨します。欠航した場合、次の便まで1日以上待つ可能性もゼロではありません。予備日を設けるなどの対策が有効です。
表2:与那国島へのフライト費用と所要時間(主要出発地別)
ルート |
航空会社 |
おおよその飛行時間 |
1日の標準的な便数 |
片道費用目安(大人) |
特記事項 |
那覇 (OKA) → 与那国 (OGN) |
RAC (JAL系) |
約1時間20分~40分 |
1~2便 |
17,000円~34,000円+ |
本土からの接続は良いが、早朝便が多く那覇前泊が必要な場合あり。要早割活用。 |
石垣 (ISG) → 与那国 (OGN) |
RAC (JAL系) |
約30~35分 |
2~4便 |
7,500円~20,000円+ |
早くて便数が多い。八重山観光の拠点として便利。費用も比較的抑えやすい。 |
注:費用は目安であり、季節、予約時期、空席状況により大きく変動します。最新情報はJAL公式サイト等でご確認ください。
海路:石垣港からのフェリー旅
時間に余裕があり、費用を抑えたい、あるいは船旅そのものを楽しみたいという方には、石垣島からフェリーで与那国島へ渡る選択肢があります。
運航会社と船舶:福山海運「フェリーよなくに」
石垣島と与那国島を結ぶフェリーは、福山海運合資会社が運航する「フェリーよなくに」1隻のみです。飛行機と同様、こちらも運航会社は一つに限られています。
航路とターミナル
- 出発地(石垣島): フェリーの出発は、石垣港の「八島(やしま)フェリーターミナル」です。ここで非常に重要な注意点があります。このターミナルは、竹富島や西表島など他の八重山諸島への高速船が発着する「石垣港離島ターミナル(通称:離島ターミナル、Rito Terminal)」とは別の場所にあります。離島ターミナルから見て対岸に位置し、徒歩で10分から15分ほどの距離です。間違えないように、事前に場所を確認しておくことが不可欠です。
- 到着地(与那国島): フェリーは与那国島の西側にある「久部良港(くぶらこう)」に到着します。久部良港は、与那国空港や主要な集落(祖納地区など)からは離れています。
八島フェリーターミナルの場所を間違えると、フェリーに乗り遅れる可能性があります。また、久部良港に到着後、宿泊先や島内観光の拠点へ移動するための手段(レンタカーの配車、タクシーの予約、路線バスの利用など)を事前に計画しておく必要があります。特にレンタカーを利用する場合は、港での受け渡しが可能か、事前に確認・手配しておくとスムーズです 5。
運航スケジュールと所要時間
- 運航頻度: フェリーの運航は非常に限られており、週にわずか2往復のみです。
- 石垣港発 → 与那国島(久部良港)行き:毎週 火曜日・金曜日 の午前10時00分発
- 与那国島(久部良港)発 → 石垣港行き:毎週 水曜日・土曜日 の午前10時00分発
- 所要時間: 石垣港から久部良港までの所要時間は、約4時間から4時間30分です。
この週2便という運航スケジュールは、旅行計画に大きな制約を与えます。フェリーで往復する場合、最短でも1泊(金曜着・土曜発)、組み合わせによっては3泊(火曜着・土曜発)や4泊(金曜着・水曜発)が必要となります。日帰り旅行は不可能ですし、短期間の滞在にも向きません。旅程の柔軟性が求められる点に注意が必要です。
料金と貨物輸送
- 旅客運賃: フェリーの最大の魅力は、飛行機と比較して格段に安い運賃です。大人の片道運賃は、2024年3月改定後で3,610円(それ以前は3,550円)。往復割引もあり、大人往復で6,750円です。小人(小学生)運賃は大人のおおよそ半額です。学割や障がい者割引も設定されています
- 車両・バイク・自転車の輸送: フェリーでは、乗用車、バイク(原付含む)、自転車を輸送することが可能です 5。費用は別途必要で、例えば乗用車の場合は片道24,840円から、自転車は1,180円、バイクは3,550円 といった情報があります。車両輸送を希望する場合は、最新の料金や手続きについて、事前に福山海運に直接問い合わせることをお勧めします。
費用面で見れば、フェリーは疑いなく最も経済的な選択肢です。特に長期滞在者やバックパッカー、あるいは自分の車やバイクで島を巡りたいと考えている旅行者にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
乗船券の購入と注意点
- 予約不可・当日購入: フェリーよなくにの乗船券は、事前の予約を受け付けていません。乗船当日の朝、石垣港の八島フェリーターミナル内にある福山海運の事務所窓口で購入する必要があります。販売時間は通常、午前8時00分から午前9時30分までです。乗船手続きは出港の30分前までに完了させる必要があります。
- 当日購入のリスク: 事前予約ができないということは、繁忙期などに満席で乗船できない可能性がゼロではないことを意味します(ただし、満席に関する具体的な情報は提供されていません)。飛行機のように事前に座席を確保できる安心感はありません。特にスケジュールに余裕がない場合は、この点を考慮する必要があります。
- 快適性と信頼性: 4時間以上の船旅は、海況によってはかなり揺れることがあります。船酔いしやすい方は、酔い止め薬の準備など、事前の対策が不可欠です。また、フェリーは飛行機以上に天候の影響を受けやすく、特に台風接近時や冬季の波が高い日などは、欠航となる可能性が高いです。欠航は数日間に及ぶこともあり、旅程に大きな影響を与えます。運航状況は、福山海運のウェブサイトや電話で必ず確認しましょう。ある情報源では、「正直おすすめできません」というコメントも見られます。
フェリーでの移動は、単なる移動手段ではなく、ある種の冒険と捉えるべきかもしれません。基本的な設備での長時間の移動、そして天候によるスケジュールの不確実性を受け入れる必要があります。快適さや時間の正確性を最優先する旅行者には不向きですが、コストを最優先し、時間に余裕があり、予期せぬ事態にも柔軟に対応できる旅行者にとっては、ユニークな体験となるでしょう。
表3:フェリーよなくに 運航スケジュールと料金
航路 |
運航曜日 |
出発時刻 |
到着時刻(目安) |
所要時間(目安) |
運賃区分 |
片道料金(2024年3月改定) |
往復料金(割引適用) |
石垣港 (八島FT) → 久部良港 |
火・金 |
10:00 |
14:00~14:30 |
約4時間~4時間30分 |
大人 |
3,610円 |
6,750円 |
小人 |
1,810円 |
3,560円 |
|||||
久部良港 → 石垣港 (八島FT) |
水・土 |
10:00 |
14:00~14:30 |
約4時間~4時間30分 |
大人 |
3,610円 |
6,750円 |
小人 |
1,810円 |
3,560円 |
注:上記は旅客運賃。学割・障がい者割引あり。車両・バイク・自転車の輸送費は別途。運航状況は天候により変動するため、必ず事前に確認してください。
出発地(那覇・石垣)へのアクセス
与那国島への旅は、まず沖縄本島の那覇空港(OKA)または石垣島の新石垣空港(ISG)へアクセスすることから始まります。
本土から那覇・石垣へ
日本の主要都市(東京、大阪、名古屋、福岡など)から那覇空港へは、JAL、ANAといった大手航空会社に加え、Peach(ピーチ)、ジェットスター、スカイマークなどのLCC(格安航空会社)を含む多数の航空会社が直行便を運航しています。新石垣空港へも、東京、大阪、名古屋、福岡などから直行便が就航しています。
- 所要時間(例):
- 東京(羽田/成田) ⇔ 那覇:約2時間40分~3時間
- 東京(羽田/成田) ⇔ 石垣:約3時間30分
- 大阪(関空/伊丹) ⇔ 那覇:約2時間10分~2時間半
- 大阪(関空) ⇔ 石垣:約2時間30分
- 費用(例):
- 費用は航空会社(大手かLCCか)、季節、予約時期によって大きく異なります。
- 例えば、東京-那覇間の片道運賃は、LCCなら5,000円台から見つかることもありますが、大手航空会社の通常期普通運賃は3万円を超えることもあります。繁忙期(例:8月)の羽田発与那国行き(経由便)の総額は、片道で3万円台後半から6万円を超えることもあります。
- コスト削減のヒント: 本土から那覇または石垣への航空券費用が、与那国島への旅費全体のかなりの部分を占めることが少なくありません。費用を抑えるためには、PeachなどのLCCを積極的に利用するのが有効な手段です。特に成田空港や関西国際空港からはLCCの選択肢が豊富です。
本土から那覇・石垣へのアクセスは、旅の第一段階であり、時間と費用の両面で最も大きな部分を占める可能性があります。したがって、この区間の航空券をいかに効率よく、経済的に手配するかが、旅行全体の満足度を左右する重要なポイントとなります。早めの予約、LCCの活用、そして那覇経由と石垣経由のどちらが自分の出発地から見て有利かを比較検討することが、賢い旅の計画につながります。
沖縄本島内・八重山諸島内の移動
もし那覇空港に到着し、石垣経由で与那国島へ向かう場合(例:石垣発の便の方が安い、またはスケジュールが合う場合)、那覇空港(OKA)と新石垣空港(ISG)の間には、JAL/JTA、ANA、ソラシドエアなどが頻繁にフライトを運航しており、乗り継ぎは比較的容易です。
石垣空港から八島フェリーターミナルへ
フェリーを利用する場合、新石垣空港(ISG)から八島フェリーターミナルまでの移動が必要です。空港から石垣港離島ターミナル行きの路線バス(東運輸など)に乗車し(所要時間約30分、運賃大人500円程度)、終点または途中のバス停で下車後、八島フェリーターミナルまで徒歩で約10分~15分移動します。バスの本数や乗り継ぎ時間を考慮し、フェリーの出港時刻(午前10時)と乗船手続きの締め切り時間(午前9時30分)に十分間に合うよう、余裕を持った移動計画を立てましょう。
飛行機 vs フェリー:徹底比較
ここまで、飛行機とフェリー、それぞれのアクセス方法を詳しく見てきました。ここでは、費用、時間、利便性などの観点から両者を直接比較し、あなたの旅のスタイルに合った選択をサポートします。
費用と時間の全体像
与那国島へのアクセス費用と所要時間は、単に那覇/石垣から与那国までの最終区間だけでなく、本土からのアクセスも含めたトータルで考える必要があります。以下に、東京出発を例としたシナリオ別の概算を示します。
表5:アクセス方法別 費用・時間比較(東京発・片道概算)
シナリオ例 |
ルート例 |
交通手段 |
費用概算(片道・大人) |
所要時間概算(乗り継ぎ含む) |
時間重視 |
東京(HND) → 那覇(OKA) → 与那国(OGN) |
大手航空会社 + RAC |
40,000円~70,000円+ |
約5時間~7時間+ |
バランス重視 |
東京(NRT) → 石垣(ISG) → 与那国(OGN) |
LCC + RAC |
20,000円~40,000円+ |
約6時間~8時間+ |
費用重視 |
東京(NRT) → 石垣(ISG) → 与那国(久部良港) |
LCC + フェリーよなくに |
10,000円~25,000円+ |
約10時間~12時間+ |
注:費用はLCCのセール運賃や大手航空会社の早期割引、通常期普通運賃などにより大幅に変動します。所要時間は乗り継ぎ待ち時間により変動します。あくまで目安としてください。
この比較から明らかなように、フェリーを利用するルートが費用面では圧倒的に有利ですが、所要時間は飛行機ルートの倍近くかかります。一方、飛行機ルートの中でも、LCCをうまく活用し、石垣経由を選択することで、時間と費用のバランスを取ることが可能です。
利便性・快適性・信頼性の比較
表6:飛行機 vs フェリー メリット・デメリット比較
比較項目 |
飛行機(那覇経由) |
飛行機(石垣経由) |
フェリー(石垣発) |
費用 |
高 |
中~高 |
低 |
所要時間(トータル) |
中 |
中 |
長 |
便数/頻度 |
少 |
中 |
極少(週2便) |
予約の利便性 |
高(事前予約可) |
高(事前予約可) |
低(当日購入のみ) |
快適性 |
高 |
高 |
中~低(揺れ、長時間) |
天候による信頼性 |
中(欠航・遅延リスクあり) |
中(欠航・遅延リスクあり) |
低(欠航リスク高く、数日運休も) |
短期旅行への適性 |
△(便数・接続次第) |
〇 |
×(スケジュール制約大) |
八重山周遊への適性 |
△ |
◎ |
△(スケジュール制約大) |
車両輸送 |
不可 |
不可 |
可 |
この比較表は、どちらの交通手段があなたの優先順位(費用、時間、快適性、柔軟性など)に合っているかを判断するのに役立ちます。
与那国島旅行の計画:予約と最終アドバイス
予約戦略:計画的に、あるいは柔軟に
- 飛行機(RAC/JAL): 与那国島へのフライトは便数が限られているため、特に繁忙期や連休にかかる場合は、できるだけ早く(数ヶ月前が理想)予約することが重要です。JALのウェブサイトやアプリで予約し、早期割引(先得など)を活用しましょう。季節によるスケジュール変更の可能性もあるため、予約後も運航情報を確認すると安心です。
- フェリー(フェリーよなくに): 乗船券は当日、石垣港の八島フェリーターミナルで購入するしかありません。予約はできません。乗船希望者が多い場合に備え、販売開始時刻(午前8時)に合わせて早めにターミナルへ行くことをお勧めします。最も重要なのは、特に天候が不安定な時期には、事前に福山海運に電話するかウェブサイトで運航状況を確認することです。
飛行機の利用は事前の計画と予約が鍵となる一方、フェリーの利用は当日の行動と天候への柔軟な対応が求められます。自身の旅行スタイルに合わせて、計画の進め方を選ぶ必要があります。
パッケージツアーについて
航空券と宿泊がセットになったパッケージツアーも存在する可能性があります。特に初めての訪問で手配が不安な場合や、お得なプランを探したい場合は、沖縄方面や離島旅行を専門に扱う旅行会社に相談してみるのも一つの方法です。
最終的な推奨事項
どのアクセス方法が最適かは、あなたの旅の目的、予算、期間、そして何を最も重視するかによって異なります。
- 時間を最優先する方、短期滞在の方: 迷わず飛行機を選びましょう。那覇からの直行便は接続が良い場合もありますが、便数や柔軟性を考えると、石垣経由の方がスケジュールを組みやすいことが多いです。
- 費用を最優先する方、長期滞在の方、自分の車やバイクを持ち込みたい方: フェリーが唯一の現実的な選択肢となります。ただし、往復で最低1泊、通常はそれ以上の滞在日数が必要になること、4時間以上の船旅であること、そして何よりも天候による欠航リスクが高いことを十分に理解し、旅程には大幅な余裕を持たせてください。
- 八重山諸島の他の島々も巡りたい方: 石垣島を拠点とし、飛行機で与那国島へアクセスするのが最も効率的で柔軟なプランとなるでしょう 3。
旅の終わりに:島内交通の準備を
無事に与那国空港または久部良港に到着したら、次はその先の移動手段です。与那国島は周囲約28kmと比較的広く、見どころは島の東西に点在しています。また、起伏も激しい箇所があるため、効率よく観光するには移動手段の確保が不可欠です。
レンタカーが最も自由度が高く便利ですが、台数に限りがあるため事前予約が強く推奨されます。その他、レンタバイク、タクシー(台数が非常に少ないため要予約)、無料の町営バス(本数が少なく、観光地から離れたバス停もあるため計画的な利用が必要)などの選択肢があります。
与那国島へのアクセスは、他の観光地への旅と比べて少し手間がかかるかもしれません。しかし、そのハードルを越えた先には、日本の他のどこにもない、雄大で神秘的な風景と、ゆったりとした島時間が待っています。このガイドを参考に、あなただけの素晴らしい与那国島への旅を計画してください。
以下の有料部分には参考文献のリストが紹介されています。