共同通信の記者が会見で行なった発言が炎上していますね。
一般的には今回のロケット打ち上げは「失敗ではない」という見方が多いように感じます。
ボクもロケット打ち上げ全体としては成功はしていないけど、部分的にはフェールセーフが機能しているので成功していますし、そもそも打ち上げする前の段階でストップしているのだから「中止」以上でも以下でもないと思っています。
フェールセーフはITパスポートレベルでも出てくる初歩的な概念ですので、知らなかった人はこの際に覚えておきましょう。
事前に事故にならないように異常を感知したら、運転をストップさせるというのはガスコンロや石油ヒーターなど家電にもにもある一般的な機能です。
昔に比べ火事が減っていたりするのも、フェールセーフが働く機種が増えているからではないでしょうか。ちなみに火災は10年ほどで70%ほどにまで減っているそうです。出火原因はタバコ、コンロ、ストーブが上位を占めています。
加熱式タバコの普及もありますが、ストーブやコンロのフェールセーフ機能の貢献度は高いのではないでしょうか。安全装置のない機種は今では売ってませんからね。
フェールセーフのおかげで重大な事故が避けられているというのを忘れてはいけません。
ロケット打ち上げは単なる中止
JAXAの岡田匡史氏
ロケットというものは基本安全に止まる状態でいつも設計しているので、その設計の範囲の中で止まっている、つまり意図しないというのはその設計の範囲を超えて、そうじゃない状態になることは大変なことになると思いますが、ある種想定している中の話なので、そこに照らし合わせますと失敗とは言い難いと思います。
もし、想定外の方向に飛んでしまったり飛ぶ前に危険の察知すらせずに爆発したとかなら確実に失敗であるといえます。
今回は想定していることが起きなかった時にどう処理をするかということまでプログラムに記述されているので、そのプログラム自体は正常に機能しているわけで「成功」です。
このことも踏まえて「中止」という表現で何も問題はないのではないかと思います。
共同通信の鎮目宰司(しずめさいじ)記者のような発言をしないためには
深いことを考えなくても、飛ばしてすらいないのだから失敗でも何でもなく単なる中止で良いのではとも思います。
そんなに「失敗」と言わせたい理由が気になりますよね。
なんであんなに「失敗」にこだわるのかというと、フェールセーフという概念がないということが大きいような気がします。
意識的に組み込まなきゃならんのに、使うだけの人間からするとあって当然の機能ですからね。そこまでは思いが至らないのではないでしょうか。
フェールセーフというとカタカナばっかで、専門っぽくイヤな感じがしますが、ごく身近に溢れている安全機能ですからね。
今後科学部の記者になりたい方はITパスポート合格くらいは必須となるんじゃないかなぁと思ったりします。